能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

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2012年6月27日水曜日

日本人はスーパースターになれるのか-12

--西洋におけるアジア人の芸能活動への考察


西洋での有名人とは…アジア人の可能性は? -3-------------------------


12-●外国籍アジア人ポップスターの可能性

さて、それでは外国籍のアジア人はどうなのか。

こういうアメリカでの状況にに対して、K-POPは独自の戦略をとっている。彼らは、訓練に訓練を重ねて質を高く高く、英語で歌って英語でMCを行い、売れるためにアメリカの市場に真正面から挑戦している。しかし、そんな戦略は実は非常に難しいのだ。彼らは英語でアメリカ人のように歌うことにより、アメリカで生まれ育ったアメリカ人のシンガー達と真正面から競争をしていることになる。外国人なのにアメリカ人と並んで売ろうとしているのだ。これはよほど質を上げないと難しいだろう。アジア国籍であることが、強み(異国風の面白み)であると同時にハンデ(コピーと見られる可能性)にもなりかねない。唯一可能性があるとすれば、アジア発であるというなんらかの特異性、商品として大変魅力的なパッケージに、質のいい楽曲と、質のいいパフォーマンス、有無を言わせぬ実力で勝負すること。それから数を打って出てどれだけ当たるかに賭けてみるということだろうか。実際に現在のK-POPの戦略はそのあたりにある。


それ以外に、もしアジア国籍のスターに可能性があるとしたら、アジア国籍であることを最大限にいかして、その国からの独自のパッケージとして売ることだろう。国を背負って売れたアジア国籍の映画スター達と同じ売り方だ。この場合、その国の独自性というのは、必ずしも伝統的なイメージである必要は無い。特に今の日本なら近未来的なイメージも独自性として使えるはずだ。楽曲の質の高さは言うまでもない。ミステリアス、手の届かない存在、誰も真似の出来ない(西洋人には真似の出来ない)圧倒的な独自性、もちろん有無を言わせぬアーティストとしての実力も必要だ…そんなものが武器になる。英語など話さなくてもいいかもしれない。ただしそんな特殊な市場を狙った売り方だから、万人が認めるスーパースターには成りえないだろう。ビルボードHOT100も難しいだろうと思う。私が以前のエントリーで「Perfumeの海外展開での成功の目標は、チャート競争ではなく、記憶に残るアーティストになること」と書いたのも理由はこの辺りにある。

その売り方で、音楽のみで言うのならアイドル(偶像)=スターとしての売り方をばっさりと切り捨てる方法もある。特にエレクトロ、トランス、ハウス…(いろいろあってよく分からないが)などのダンスミュージックは、基本的に機能優先の踊るための曲。極論を言えば、曲がダンス曲としての機能さえ果たしていれば歌っているボーカルは誰でもいい。カエルでもいいのだ(笑)。だからこそ、そういう売り方ならアジア人であるハンデを気にする必要が全く無い。むしろアジア人である特異性(面白み)が武器になる可能性も大きい。以前「Perfumeを海外へ」のエントリーでも書いたのだが、私はPerfumeはこの売り方がいいのではないかと思っていた。過去のYMOの、西洋から見た「(誰がやっているのか知らないが)面白い極東のテクノバンド」の位置付けもこれに近かったと思う。


ともかく、アジア国籍のポップスターにとって西洋の市場は非常に厳しい状況だ。そもそも西洋社会ではアジア人に対する受け皿が小さいのだから、単純に曲の質を上げたり、歌が上手いからと言って状況は簡単に変わるものではない。


では、ほんとうに全くダメなのか。いや実は変わってきている。

次は、アジアと西洋の変わりつつある位置関係について述べたい。