2012年8月31日金曜日

Crystal Waters - Gypsy Woman (She's Homeless) (1991)



これもすっかり忘れてました。



Crystal Waters - Gypsy Woman (She's Homeless) (1991)
Music video by Crystal Waters performing Gypsy Woman (She's Homeless).
(C) 1991 PolyGram Records Inc.



1991年.バブルも弾けたばかり。まだバブルの余韻もあって相変わらず忙しくてしょうがなかった頃。遊びに行く暇なんて全然無かった。会社が音楽を聴きながら仕事が出来る環境だったので、これもたぶんラジオで聞いたもの。とにかくこのララディーラルラーウ…の繰り返しにすっかりはまってしまい、音楽好きの同僚がこのCDを会社に持ってきたのでそれを何度もリピートしていたら他の同僚に嫌がられた(笑)。

この曲も単なる流行の曲としてはギリギリに不快なものだと思う。時々ありますね。決して気持ちのいい音ではないのに癖になる。当時はこれがハウスなどというものだとも知らなかった。





 

2012年8月30日木曜日

NHK BS時代劇『薄桜記』第7回 殿中刃傷



事件が起きました。これまでが登場人物の身の上話で、この回から最終回に向かって話が盛り上がる構成でしょうか。なんだかサラサラっと繋ぎの回っぽかった。そこを恋愛要素で飾りつけ。

ほんとにちょっとだけなんだけど、この山本典膳さんと千春さんはいい。ちょっと照れますね(笑)。千春さんの一途な感じが可愛い。本当に山本さんを慕ってるような表情をする。それを年上の山本さんが受け止めるような表情がまたなかなかいい。ケミストリーがある。言葉少なくも慕い合うからこそ悲劇なのでしょう。

萬田さんが綺麗。

それから事件の報告を受けてる浅野家のお侍さんの一人が座ったままよろっと後ろにひっくり返ったのがツボ。思わず巻き戻して見てしまった。



2012年8月29日水曜日

閉じ込められた女の子達:Perfume PV三部作に思う


Perfumeのこれまでのシングル3曲を「SP三部作」と呼ぶ人もいるらしい。それぞれのタイトルが英語の綴りでSPから始まっているからだそうだ。

SpiceSpring of LifeSpending All My Time。確かに…。そういえばこのSP三部作、他にも共通点がある。最近PVのことを考えていたらつい思いついた。おそらく気付いたのは私だけではないと思うのだが、とりあえず検索に出てこなかったので書きたい。

このSP三部作のPVでのPerfumeは、全部閉じ込められてます。

Spice
安全で刺激の少ない薄いピンク色の室内の3人。退屈している。小さな扉の向こうにはカラフルな世界。彼女達はこの扉を開けてカラフルな世界のキャンディーを口にする。たちまち彼女達の周りが色鮮やかに変わり始める。だけどそんなカラフルな世界は何故か金魚鉢の中。やっぱり囲われた世界。そして彼女達は歌う「知らない方がいいのかもね…」

Spring of Life
彼女達は実験室の中で製作された3体のアンドロイド。電源ケーブルに繋がれているので室内から出る自由は無い。とあるデータ上のアクシデントから余計なデータがインプットされてしまい感情を持ちはじめる。そしていつの間にか外の世界にも出れると思い始めてしまう。外に出ようと最後に電源ケーブルを抜くと…。

Spending All My Time
彼女達は超能力者。その特殊な能力のため施設に閉じ込められて強化訓練を受けている。彼女達は退屈している。制服を着せられ腕には番号を振られ、毎日同じ訓練を繰り返す。時間があれば室内を行きつ戻りつうろうろしている。3人で遊んでみるがやっぱり退屈だ。ドアの向こう側の看守を呼ぼうとノックをするが誰も答えてくれない。扉には鍵がかかっている。外に出られない。
 

全部閉じ込められてます。このところのPVの印象がなんとなく物悲しい感じなのも、Perfumeが大人になったからだろうとばかり思っていた。実は全部ちょっと悲しい設定なんですね。自由が無い…。

Spring of Lifeのあの「切なさ」は特に強烈。このPVの彼女達は生まれたばかりのアンドロイド。あんなに綺麗な女の子達。全てが純粋でイノセント。赤ちゃんのように無垢な女の子達。アクシデントから感情のデータをインプットされてしまい、若い女の子ならではの楽しい事を想像し始める。人生の春を謳歌しましょうと楽しそうに歌って踊る。お洒落してウキウキして大喜びで出かけようとした途端に全てが終わってしまうなんて…。このPVはやっぱり傑作だと思う。全てがポエトリー。いつ見ても泣く。最後の彼女達の笑顔がまたいいんだこれが…。


3作とも共通して自由の無い室内に閉じ込められた女の子達のストーリーであるのなら、これだけでコンセプトPV閉じ込められ三部作」にもなると思う。偶然だろうか。それとも最初から狙ったんだろうか…。3作ともストーリーや設定が練られていて非常にハイクオリティーなのも共通。いろいろと想像させられる。普段のPerfume本人達が明るい感じなだけに、PVでのちょっともの悲しい感じはまたすごくいい。なるほど…なぜか最近アートっぽい感じがしてきたのはそんなこともあるのかも。


一連のPV鑑賞に付き合わせている旦那Aにこのことを伝えてみたら「面白い」と言い始めた。彼によるとPerfumeの女の子達はアイドルという職業柄、対外的にアイドルという決められた枠(品行方正、男っ気なし、言動も態度もアイドル枠内)=閉じ込められた世界に生きなければならないはずで、そんなことを象徴しているのではないか……とのこと。
ほぉなるほど…そこまで深読みするのか…。


 

2012年8月28日火曜日

映画『ゲーテの恋~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」/Young Goethe in Love 』:可愛いです


 
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Goethe!2010年)/独/カラー
100分/監督; Philipp Stölzl
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オンラインの映画サービスNetflixで鑑賞。

珍しいドイツ映画。文豪ゲーテの若い頃の恋の話。なんと『若きウェルテルの悩み』の話だそうで、英語のタイトル『Young Goethe in Love』でそんな事を全く知らずに見た。話の中で彼の書いた小説が『The Sorrows of Young Werther』とあったのにそれでも全く気付かなかった。原作は読んだと思っていたが気のせいだったらしい。後でネットで『若きウェルテルの悩み』だと知って驚いた。


若いゲーテ君、法律を学んでいるがあまり真面目ではないらしく、小説や脚本を書いてふらふらして不真面目な為、博士号の試験にも落ちてしまう。心配した父親に強制的に田舎町に送られ、そこの裁判所で見習いとして働き始める。そこでまたふらふら遊んでいて、可愛い女の子と出会う。1度目はアクシデント。2度目に再会するのは教会。そこで二人は瞬く間に恋に落ちる。

運命のいたずらで、このカップルにも別れが訪れる。ありえないような偶然。哀しい別れ話。それでも最後は上手くまとまる。ストーリー中の彼の経験が『若きウェルテルの悩み』として出版されるまでの話なので、最後は彼のサクセスストーリになる。めでたしめでたし。

 
久しぶりに見た青春映画。ほんとに可愛い。主役の俳優さんと女優さんがとても瑞々しくて、それはそれはもう可愛らしい。ドイツ語なんて全くわからなくても表情で二人の気持ちが手に取るようにわかる。恋をしてドキドキしたり、嬉しかったり、心配したり、後でにやにやしたり、緊張したり、怖くなったり…。見ていて嬉しくなるようなカップル。二人の表情が豊かでどんどん引き込まれていく。会話も楽しい。ゲーテ君が必死で考えた愛の告白まがいの詩に、ロッテちゃんは照れてしまったのだろうか、咄嗟に出た言葉が…「バカみたい!」(笑) 直後のゲーテ君のガッカリ顔は特筆もの。その後ですぐにロッテちゃんは「自分の才能にも気付けないの?」とフォローする。もちろんゲーテ君は超嬉しい。字幕の翻訳が良かったのかドイツ語の冗談の言い回しも楽しかった。新鮮だった。

途中から話は急展開するが映画として上手くまとまっていると思う。原作を知らなかったので、途中どうなることかと思ったが、結局ゲーテは82歳まで生きた人なのでなるほどと思った。実際には映画化のためにかなりの脚色がしてあって史実どおりではないらしい。それでもいい話にまとまってると思う。なによりも、あのドイツ最大の文豪ゲーテさんの若い頃の話なのだから、それだけでも感慨深い。

 
原作は1774年に初版が刊行されたそうで、映画の中の人物達の服装や街の様子も18世紀のドイツ。18世紀のヨーロッパ好きにはたまらない映画。舗装されていない街の歩道の汚さも、服装も、ノーメイクの女優さんの顔もリアル。そういえば法律家のカツラも(同時代の)フランス映画のように白くふわふわしていない。壁や室内の汚さも興味深い。ドイツ流の歴史リアリズムなのかもしれないと思う。人物達のキャラクター設定はかなり現代風だと思うが、外国語のせいかほとんど気にならなかった。

情景も美しい。ゲーテ君は、風景画のように美しい広大な草原を、森を、田舎の道を馬を走らせてロッテちゃんに会いに行く。ロッテちゃんの家は木々に囲まれた石造りの田舎の家。大きなかまどでひとかかえもあるパンを焼いている。妹や弟がたくさんいて賑やかだ。庭には鶏やヤギがうろついている。絵に描いたような田舎の家が可愛い。

ストーリーも役者さん達の演技も、セットや衣装、風景も全て楽しんだ。いい映画だった。後でネットで調べたら、主役の俳優さんが実際のゲーテの肖像画に似ていた。ヨーロッパ映画は、こういうところもきちんと詰めていたりするから面白い。それにしても原作を読んでいないのは不覚だった。早速読んでみようと思う。

余談だが、フランスのナポレオンが、原作の『若きウェルテルの悩み』の大ファンで生涯で7回も読み直したのだそうだ。彼のような勇ましい軍人が、恋愛小説好きというのも面白い。

 

2012年8月27日月曜日

Michael Gray - The Weekend (2004)



記号化してません。
 
Michael Gray - The Weekend (2004)

 
 
過去2回エロエロ言ってきたら、これも出さないわけにはいくまい。あくまでも曲が好きだから載せてます。これは英国人DJMichael Grayさんの2004年の曲。英国7位。ポーランドで1位。オーストラリアで6位。Fedde Le Grandさんの曲に比べるとずっと聴きやすい良質のポップソングだと思う。なぜかほんのちょっとだけ70年代の香りがする。いい曲です。

さてまたまたエロテーマPV。英国人はOLさんがはしたないのを好むらしい。これも英国男の妄想映像でしょう。基本的に英国人はエロが大好きです。アメリカに比べるとずーっとオープン。英国人全員が「そんなの好きに決まってるじゃないの」と開き直ってる感じ。イギリスに住んでた時に大手の新聞が「英国人がヨーロッパの中で一番エロいのだ!」というどこかの調査結果を、誇らしげに記事にしていたのを見たこともある(笑)。一見ガチガチに真面目なんですけどね。だからこそ興味津々ということか。

さてこのPVはエロを記号化していません。生身の女の子のまんまです。だからセンスが悪い(笑)。私がPVで許せるのはこのあたりまで。こういうイメージは英国の所謂Lad Magazine(ラッド・マガジン)のイメージをそのまんま映像にしたもの。ラッド・マガジンとは英国の若い男の子向けの雑誌でビキニの女の子の写真が載ってる類のもの。ダンスミュージックを聴くターゲットをそのまんま意識したPVでしょう。

この程度なら女の子達もかっこいいし、かっこいいならエロも大変よろしいということでしょうか。ただ私個人的にはこのPVにはあまりユーモアを感じないので、Fedde Le Grandさんの「Creeps」のほうが面白いと思う。もう少しひねりがないと安直すぎて面白くない。それでもアメリカの女性シンガー達のダイレクトに露骨なPVよりはずっといいと思う。 これでしばらくエロPV談義はおしまい。


 
 

2012年8月25日土曜日

Ida Corr vs Fedde Le Grand - Let Me Think About It (2007)



これも記号化したエロ。
 
 
Ida Corr vs Fedde Le Grand - Let Me Think About It (2007)
 (VJ Optique Extended Version)



元々はデンマークのシンガー、Ida Corrさんの2006年のアルバム曲。途中から入る男性コーラスは同じデンマークのBurhan Gさん。それを2007年にまたオランダのDJFedde le Grandさんがリミックス。これにまた英国で火がついた。2007年の10月に英国でシングルチャート2位。そこからまたヨーロッパを中心に世界に広がる。

 
いやーこれはきますね。神経を逆撫でされるような不快感。音が不快のギリギリなのに、はまると止められない。この曲も知らなかった。Fedde le Grandめぐりで見つけたもの。ボーカルは突然入るんで唐突な感じもするけれどリズムだけでゴリゴリ押していってしまう。この人のアガる音はツボ。

面白いのは、このYoutubeの動画のコメント欄に、「あ~こういう昔の曲が懐かしいぜ。今の曲はゴミだ。」と書いている人がいて、「2007年ならたった5年前じゃないの」と思ったのだけど、5年前を昔に感じる人なら高校生でしょうか。それぐらい彼らにとってはダンス曲も5年間で音が変わってきてるのでしょう。

この曲も前回紹介した「Creeps」も2007年のリリース。どちらも非常にノリのいい曲だと思うのだけど、確かに流行りの音の感じは変わってきてるのかも知れません。DJFedde le Grandさんも売れていたのは2008年ぐらいまでで後はあまり売れてないらしい。やはり音に流行り廃りがあるのでしょう。

 
このPVもエロを徹底的に記号化してます。監督は「Creeps」と同じ英国人。明らかに下着姿の女性達が踊っているのに、ヤナ感じがしないのは全員に同じ格好をさせて人物を記号化しているからでしょう。1人を撮って合成してるのかと思ったら、違うモデルさんたちが同じ格好をしてるんですね。なんだかお人形が踊ってるみたいですごく可愛い。

シンガーのIda Corrさんも普段はふつうの髪型なのに、アフロのウィグで記号の一部になってます。彼女だと分かるのは顔を大写しにするときだけ。このアフロ頭がみんなすごく可愛くてセクシー。どうしてみんなアフロ頭を止めてしまったんだろうと思う。すごくステキなのに。

途中から出てくる男性ダンサーが不可解。なんでこの人なの? シンガーでもないダンサー。この男性ボーカルは音だけ聴けば決して悪くないのに、このPVのちょっとカッコワルイ男性の必要性がさっぱり解らない…。洒落なのかな。

余談だけど、Perfumeののっちにアフロ頭をさせてみたい。


 

2012年8月24日金曜日

Camille Jones vs Fedde le Grand - The Creeps (2007)



ユーモアは大切です。
 
 
Camille Jones vs Fedde le Grand - The Creeps (2007)

 
 

元々は、デンマークのシンガーCamille Jonesさんの2004年のシングル曲。その後それをオランダのDJFedde Le Grandさんがリミックス。そのリミックスが2007年に英国のラジオに取り上げられ、その後英国のレーベルMinistry Of Soundからリリースされる。もともと違うバージョンのPVがあったのに、英国でのリリースに向けてこのPVを新たに英国人のディレクターが撮影。そこでヨーロッパを中心に世界でヒット。

エロの見せ方も色々あると思うけれど、このビデオがエロをテーマにしながらいやらしくないのはエロを記号化しているから。何から何までそれらしい内容なのに何故かユーモラスで可笑しい。たぶん撮影もノリノリでゲラゲラ笑いながらだろうと思う。みんなスタイルいいな。揃ってますね。すごく綺麗。このあたりのエロユーモアのセンスは流石大人の国英国だなと思う。ところで男性モデルがすごくいい男なのに高校球児のような三分刈りはいかがなものか。

近年のアメリカの女性シンガー達が、腰を振っていかにも真正面からエロなPVをやっているけど、あれがセンスが悪くてヤナ感じののは、エロを記号化していないからでしょう。リアーナが腰を振ると単なるリアーナのエロPVになってしまう。当然彼女のファンでなければ、だからなんなのよーとなってしまう。ブリトニーもみんなそう。安売りにしか見えない。

エロをセンスよく見せるのは難しいです。80年代のマドンナは革命の女戦士でやること全てに思想があったのでエロも戦略。実は彼女はあまりエロくなかった。彼女以降でエロをテーマにして成功した人は少ないかも(よく知らないけれど)。パワーで違うレベルに持っていったビヨンセぐらいしかいいのは見当たらない。彼女は特別。

ともかくモデルやダンサーを連れてきてサラサラっとこういうのが出来るのはいいですね。このモデルさんたちはおそらく20代半ばだろうと思うので、英国人のセンスでAKB48を作るとこんな感じになるのかも…(笑)。
 
 
 

2012年8月23日木曜日

NHK BS時代劇『薄桜記』第6回 用心棒




面白いです。テンポが良くてポンポンポンと話が進んであっという間に終わってしまう。やっぱり脚本が素晴らしい。今回はコメディっぽい場面が多かった。

 
またまた言葉に痺れる。「捕縛されたのか。早計でした。詮議に及ばず。滅相も無い。戯言を申すな。釈然とせぬ。」いちいちかっこいい。こういうのは時代劇の様式言葉で、時代劇なら普通に使われても珍しくないと思うのだけど他のドラマではどうなんだろう。近年はあまり聞いた記憶が無いかも。こういうのは私も意味は分かっても自分からは出てこない言葉。改めて注意して聞くと、こういう言葉が時代劇の格式を紡ぎだすんだなと感じる。いいですよね様式美。

 
 
紀伊国屋の江守さんと典膳の山本さんのやりとりは楽しい。やっぱり言葉の職人芸。

 紀伊国屋:(刀を)お返しいたします。
 典膳:わしに恥をかかせるのか。
 紀伊国屋:や、とんでもない。
 典膳:紀伊国屋にめったな物は贈れぬ。精一杯見栄を張ったのだ。
 紀伊国屋:おこころざしは、しかとこの胸に染み入りました。
 典膳:困ったな。
 紀伊国屋:お刀は武士の魂でございます。どうぞお大切になされませ
 典膳:丹下典膳に脇差は無用じゃ。
 紀伊国屋:は?
 典膳:2本刺しても腕は1本じゃ。
 紀伊国屋:やや…ぐっ(笑)…1本とられましたな。(←この場面のカメラの位置が可笑しい)


痺れる。演じるお二人もとても楽しそう。見ていてすごく楽しい。この後の場面ではなんと女性が逆立ちをしてましたヨ…。

 

お豊ちゃんはさなぎ太夫になって再登場。予想に反して再会は至極平和なもの。彼女も紀伊国屋さんに囲われて比較的幸せなんでしょうか。しっかりと自分の運命を受け入れている様子。安っぽくお涙頂戴でないところが流石だなと思う。そうか…遊女=不幸だなんて現代人が安易に考えることですね。時代柄、自己の運命を受け入れて堂々と優雅に微笑むお豊ちゃんのほうがずっとかっこいい。典膳先生も嬉しそう。そうそう紀伊国屋さんが、さなぎ太夫を典膳に紹介するときに「お臍の周りに黒子が3つあるそう…」と言う台詞もいい。こんな会話で場面にが出る。上手い。

 

新しいキャラも登場。口入れ屋の白竿屋長兵衛。口入れ屋の意味の説明も台詞の中でされているんだけどとても自然。鳶職や人足の請負をわりつけ…などというのを縄張り争いに絡めてサラサラッと説明。

高嶋政伸さんがまた上手いの。牢屋での下卑た笑い。へぇへへへへ…。だけど牢屋を出るとばりばりの実力者というのがありありと分かる。話をしていても目が怖い。口入れ屋に火消し。街のちょっと怖い実力者なんでしょうか。迫力満点。最後の火消しの場面はすごくかっこいい。

彼の場面でいろんな時代背景の説明もされた。全てが自然な台詞。「ごろつき」の謂れ(ひとかどの親分や侠客は五郎という名を好んでつけやす…)「お犬様」への文句で生類憐みの令。「由井正雪か」で幕府転覆願望…。由井正雪は思わず調べてしまった。ああ勉強になるわ…それも楽し。

 
お三さんも素晴らしい。なんともいえない女性らしさ。典膳の髯を剃るのもサバサバ振舞っているように見えてとても艶っぽい場面。大人です。色気とは押し倒すばかりではない見本。最後に「あ~らいい男!」というのもいい。


今週は堀部安兵衛がすごく綺麗になった。それから典膳の長屋の皆との別れの場面のコメディもいい。典膳の伯父さんもコメディ要員。「あのなぁ…はっきり言うておくがこの身体で(トントントンと典膳の左の空の袖を扇子で叩く)仕官は無理だぞ…」という時のカメラの位置が可笑しい。もう逐一痺れる。

 
山本さんは相変わらずいい男。背筋がぴしっと伸びてる。片手の納刀!

 
このドラマはほんとに楽しみです。これだけ楽しませてもらえたらもう他のものが全部吹っ飛んでしまう。ジェームス三木さんはすごいです。もうこのお方にいろんなことを教えていただくつもりで正座してこのドラマを拝見したい。それに演出の清水一彦さんというお方は以前大河の「風林火山」をなさった方だそう。1952年のお生まれ。ああやっぱり時代劇の出来る方は世代が違うのか。これは大変。今の40代以降の制作の方は、どうかこういう方から時代劇制作の遺産を受け継いで欲しい。





2012年8月22日水曜日

Perfume 3rd Tour「JPN」DVD 感想



見ました、JPN Tour DVD。ヘッドフォンでがっつり全部見た。面白かった!ホントにいつも幸せにしてくれる。楽しい楽しい。日本全国20万人を動員した今回のツアー。とにかくまた3人娘の成長を見れたのが何よりも嬉しい。3人の表情も充実してます。本人達が一番楽しそうだ。ますますいいグループになったなと思う。ダンスもますます素晴らしい。ステージ上の立ち姿も堂々として客のあしらいもプロ。大人になりました。


今回も前回もずーっと毎回思ってきたのは、あ~ちゃんという人はほんとに生まれついたスターなんだということ。芸能人になるために生まれてきたような華がある。太陽のよう。まぁよくしゃべることしゃべること。いっしょに笑わずにはいられない。彼女が話すとこちらも「うんうん」と頷く。彼女が泣き始めるとまたまたもらい泣きする。彼女が大きな口でゲラゲラ笑うとこちらもなんだか嬉しくなる。
声のキンキン具合もすごいです。声の質から人と違う。彼女が話し始めると空気が変わる。温度が23度上がる。動けば動くだけ話せば話すだけ磁石のように人を惹き付ける。すごいです。まるでコメディアンと女漫才師と演歌歌手が一緒になったようなそれはもう大変なカリスマ。全てが陽。ステージに上がると光を放って輝き始める。こんな人はあまりいません。とにかく無意識に目が惹き付けられてしまう。ちょっと別次元のスター性。いつもすごいなと思う。


さてライブ。ショーのスタイルは多少変わりました。アイドルっぽくなった。電飾がおとなしくなったのは全国ツアーに合わせて移動しやすいセットのためでしょうか。昔のようなギラギラ感が減った気がする。最初のあたりは特にそう。移動式の△スクリーンはバラバラになると映像スクリーンとして小さい気もする。正直地味な感じもした。
J-POP歌謡アルバム『JPN』のツアーらしく、ステージもライティングも彼女達の表情も多少アイドル歌謡ショーっぽく感じたのも事実。昔のような凛とした感じは無くなった。『JPN』の空気感そのままの演出なんでしょうか。このツアーが歌謡ショー路線だとしてもまた最近のシングルはハードになってきてるんで、このツアーの演出も一過性のものかもしれません。このライブももう半年前のもの。これからどうなっていくのかな。
ただ私個人的には横浜や武道館のEdgeGameツアーのGAMEなどの大スクリーン映像の演出、武道館オープニングや代々木ミックスのストーリーものの映像、ジェニーのギラギラ電飾映像など、映像と彼女達の組み合わせが面白いと思うので、もうちょっとああいうタイプの演出が見たい気もする。今回「JPNスペシャル」がそういう演出だったけど、プロジェクションマッピングと彼女達の衣装が暗すぎてあまりよく見えずもったいないなと思った。ダンスは素晴らしかったので惜しいと思う。


真摯に真面目にやってきた人達なんですよね。ほんとに小さい時からショッピングモールなどでドサ回りまでやってきた。いつも一生懸命頑張ってきた。いろんな人に頭を下げて何万回も「有難う」を言い続けてここまで来た。辛くても3人一緒だからやって来れたんでしょう。10年間も続く友情。20代で10歳の頃からの友達が続いている人なんて実際はあまりいない。そんな3人の結束の強さも羨ましかったりする。いまどきこんな美談はあまりない。長い間一生懸命努力してきたことを堂々と隠さず「がんばってやってきたからここまで来れた。私達に出来るならあなたにも出来る。」と前向きなメッセージを常に送り続ける彼女達はほんとうにステキです。

MY COLOR」はいい歌。ちょっと泣いた。Puppy Love」もやっぱりいい。




2012年8月20日月曜日

映画『ダークナイトライジング/The Dark Knight Rises』:ユーモアは大切です



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The Dark Knight Rises2012年)/米英/カラー
165分/監督;Christopher Nolan
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駄作です。お金だけかけた爆弾アクション映画。



ネタバレ注意

最初はね、飛行機でのアクションはかっこいいと思ったんですよ。スゲーという感じで引き込まれた。…なのに10分もしないうちに眠くなった。それから1時間ぐらいなんとしても眠るものかと必死。次第にストーリーも分からなくなった。だってあのダースベーダーまがいの悪役のおやじの声が大変聞きづらいのだ。半分ぐらいから覚醒したけど、今度はちっともバットマンが出てこない。最後まで早く終わんないかなーと思いながら見終わった。寝ちまったのに文句ばっかり言うのはいけないと思うが、問題はストーリーだけではないと思うのでとりあえず書きます。辛辣です。



問題はですね、

1. ストーリーがこじつけっぽい。ありゃりゃ展開
まず旦那Aが大変憤慨していたので、途中で眠ってしまった私のせいだけではないらしい。ほとんどストーリーとして意味を成さないらしい。人物の心理的な深みも行動の理由も一切無い。すべて大げさなアクションのための唐突な展開だったらしい。

2. バットマンは普通の人がラバースーツを着ているだけ
昔のバットマンシリーズでは、ワイヤーを引っ掛けてぶら下がってくれたり、高い所から飛び降りてくれたりしたと思うんだけど、この映画のバットマンは普通のマッチョなオヤジなだけ。リアルな人間ということなんだろうけど、あれじゃ格闘もやりにくかろう。ラバースーツ脱いじゃえばいいのに。マジックがない。

3. バットマンが出てこない
ほとんど人間クリスチャン・ベールが悶々とするばっかり。バットマン=スーパーヒーローの見せ場がほとんどない。

4. コミックブック・ヒーローの面白みが皆無
19891992年のTim Burtonのバットマンは面白かったです。色んなところに散りばめられたユーモアが良かった。おかしくてちょっと不気味。全部嘘っぽいのがコミックブック風で魅力的だった。そんな中で活躍するマイケル・キートンのバットマンはセクシーで艶があった。見てて楽しかった。クリストファー・ノーラン監督はあまりにも真面目過ぎて無粋。キャラクター設定がちっとも粋じゃない。

5. キャットウーマンのアン・ハサウェイはミスキャスト
普段は優等生お嬢様風のアン・ハサウェイが、ビッチなアクションスターをやっているのは見ものだったけど、どうも魅力が足りない。これも監督のせい。もう少しキャラにを持たせて欲しい。昔キャット・ウーマンをやったミシェル・ファイファーはスーパーセクシーで超ステキだった。

6. 悪役が魅力的でない
これは好みなのでしょうがないです。ハンニバルレクターを持ってこられても困ったもんだ。スーハー言ってて何を言ってるのかも分からない。

7. 原爆がいけない!
原爆を持ち出すのに、道路にゴツンゴツンぶつけて引き摺ったら危ないだろー! それにたった1分間飛んだだけで原爆を放射能の影響の無いところまで持っていけるわけが無い(怒)。



全て監督のせい。このクリストファー・ノーラン監督とはことごとく相性が合わないらしい。英国人らしく真面目に真面目に映画を撮っていつも高く評価されている人なんだけど、正直ちっともいいと思わない。2000年の『メメント』はすごいと思ったけど、あれ以来頭でっかち風な映画ばっかりで全然面白くない。『インセプション』は訳がわかんなかった。『バットマンビギンズ/Batman Begins』はなかなかいいと思ったけど、今思えば面白味に欠けていた気もする。あまり記憶に無い。『ダークナイト/The Dark Knight』は見なかった(これが傑作らしいのでこれが一番の私の問題)。


私の世代はTim Burton監督のコミカルなバットマンシリーズが面白かったものだから、ついつい比べてしまうのもしょうがない。Tim Burton監督のバットマンは楽しかった。ユーモアが色んなところにあって不気味でもすごく魅力的だった。キャラクターもそう。マイケル・キートンのバットマンは、うちに帰れば洗練された紳士だったり、女性にも優しかったりした。あんな怖い格好なのにセクシーですごく魅力的。艶があってステキでした。


だけどこのクリストファー・ノーラン監督のバットマンは、単なるマッチョなオヤジ。真面目すぎて全然面白くない。見ててつまんない。アメコミのスーパーヒーローなんて魅力的でナンボなのにこの監督はそれが全く解っていない。漫画のキャラをリアルな人間にしてどうする。バットマンが爆発ばっかりのアクション映画に成り下がってしまった。最初の『Batman Begins』ではこの真面目さが新鮮でいいかと思ったけど、この暗~い陰鬱な雰囲気でシリーズ化されるとさすがに飽きる。ユーモアのかけらも無いようなバットマンは全然面白くない。


昔のバットマンのマイケル・キートンが、他の役の時はそれ程の大スターでもなかったのに、バットマンであんなに素敵だったのはBurton監督の腕。クリスチャン・ベールは普段は超いい男なのに今回のバットマンで魅力のかけらも無いのは全てノーラン監督のせい。この監督の人物描写は本当に無粋。


旦那Aによると、ストーリーも散々だったらしい。ドラマにドラマを重ねたような展開に見えて実は内容の展開に全く必然性がないらしい。そう言えば最後のオチもいきなり唐突だった。なんだか必要も無いストーリーを切り張りしたような話だそう。旦那Aは超怒っている。もうこの監督の作品は見ないらしい。


というのもアメリカの映画データベースサイト(IMDB)では、この監督の作品は常に超高得点をマークしているからだ。今回もそれに釣られて見に行ったけど結果は散々。もうみんな目を覚まして正直になってもいいと思う。頭のいい監督が真面目にお金をかけて作ったように見えて、実はアクションと爆薬のこけおどしばかりの駄作。特にあそこまでキャラクターをつまらなくした罪は非常に大きい。この監督には人物が描けない。たのむから『007』には絶対に手を出さないで欲しい。


追記:うわぁぁあああ!今度のスーパーマンのリメイクにもノーラン監督はライターとしてかかわっているらしいぞ。うわやだなー…アメコミものにはもう関わって欲しくないのに…。