能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

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2013年7月16日火曜日

NHK大河ドラマ「八重の桜」第27回「包囲網を突破せよ」


このドラマはですね、もうただただ日々起こることを時を追って見ながらビックリしたり悲しくなったりドキドキしたりで45が終わってしまうので、感想を書くのが非常に難しい。

ほんとにこの大河ドラマでは、毎週今までに無かったほど拳を握り締めて見ています。次はどうなるのだ…あそこはどうなった、彼女は…、どうするのよ…ああ…などなど、毎回気持ちを揺さぶられております。さて、どうやってこの話の感想を書こう。やっぱり時間ごとに。まずはできるだけ心にぐっと来た言葉を書き留めたいと思う。

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●823日夜
城内・髪を切った八重ちゃん(綾瀬はるか)は夜襲に参加。そこで目前で人を殺すことの怖さを実感する。うろたえていたところを救ってくれたのは黒河内伝五郎先生(六平直政)「おまえらに会津はわたさねえ…」(先生…)
 
燃える日新館に驚いていると古川春英先生(小市慢太郎)が城に負傷者を連れて来たのに出会う。日新館は敵に囲まれる前に焼き払ってきたとの事。動けない者は全員自害した。(ショックで気持ちが沈む)
 
郊外・日向ユキさん(剛力彩芽)とその家族は城から離れ宿を求めてさまよっている。(農家の人の気持ちもわかります)
 
●824日(篭城2日目)
城内・午前、女性達が会議。二葉さん(市川実日子)が息子虎千代とはぐれたらしい。探しに行くという二葉さんに母・艶(秋吉久美子)が「お身内を亡くした方々も大勢いらっしゃる」とたしなめる。(厳しいですね。でも城外に出たら危ないんでしょう)
 
越後街道・間違って坂下まで来てしまった娘子隊の女性達が鶴ヶ城に帰る許可を請う。却下されると自害するというので菅野さん(柳沢慎吾)も許可するしかない。出陣は明日。
 
城内・藩士達、尚之助(長谷川博己)を中心に会議中。小田山を守らなければならないが兵も大砲も足りない。そこへ官兵衛(中村獅童)が200人の兵を集めてきた。(険しい表情の尚之助さんが実にいい。長谷川さんは激しい気性の人物をやるとはまる。今回の戦闘での彼がすごくかっこいい。もうダメ男君な役はやらないほうがいいと思う。)
 
八重ちゃんが負傷者の看護中。そこで白虎隊が出陣した事を知る。彼女にはまだ白虎隊に何が起こったのかは分かっていない。(こういう城の外が見えない設定がリアルです)
 
容保公(綾野剛)は一人神保内蔵助と田中土佐を悼む。
  
●825
 
坂下野外・娘子隊の女性達は薙刀を構えて潜んでいる。そこで中野竹子さん(黒木メイサ)は「お城に帰ったら八重さんに鉄砲を教えてもらいましょう。(←涙)」それに神保雪さん(芦名星)がうなずく。その後すぐに戦闘シーンへ。竹子さんは銃弾に倒れる。隊からはぐれた雪さんが敵に囲まれる。(竹子さんが綺麗だった)
 
城内・城内に大砲が打ち込まれる。小田山が敵に取られたらしい。火薬500貫も敵の手に。みな焦りを隠せない。男達は軍議。そこで突然西郷頼母(西田敏行)が、家臣一同腹を切っての恭順を唱える。梶原平馬(池内博之)、佐川官兵衛の怒りは頼母に向けられる。そこへ容保公「事ここにいたっては開場恭順の道など無い。城ごと命運をともにするのみ」と玉砕を宣言。(嗚呼)
 
官軍の陣・雪さんが囚われている。それを哀れに思ったのか土佐藩士らしい人(方言)が助けようと話しかけると、雪さん「ご無用でごぜえやす。それより脇差をお貸しください。」官軍の人「三途の川を渡るときは誰それの妻と堂々と名乗りや…」と告げ脇差を置いて去る(←優しいですね)。雪さん一人で「神保修理、妻、雪。旦那様のお側に…」と呟いて自刃。(涙)
 
城内・夜、八重ちゃんが頼母さんと会話。白虎隊のことを訪ねるが頼母にも分からない。「月明かりで見てえ物があったが月は出てねえ」と言う頼母が「八重、白河の戦では大勢の兵が死んだ。いや死なせた。敗軍の将たるわしは腹を切らねばなんね。だけんじょ、死んだ者達の無念の思いは、このわしの肩に背に重くのしかかって腹ぁ切らせねえんだ。生きて会津を守れと言うんだ。わしは会津を守る…。八重、強くなれ。強くなんねーと一足も前に進まねえぞ…。」八重ちゃんがその場を去ったあと頼母が読もうとしていたのは、自決した家族の辞世の句。(涙)
 
●826
 城下近郊・山川大蔵(玉山鉄二)が軍を率いて城の近くまで帰って来ていた。しかし敵の包囲網を突破せねば城には帰れぬ。
 
城内・「おっかさま彼岸獅子来た。」そこに重なる囃子の音。城下では城に向かって彼岸獅子の行列が続く。薩摩兵は唖然として眺めるだけ。城内の山川健次郎(勝地凉)がつぶやく「兄上…」。
 
容保公と頼母の会話。頼母が恭順を進める「会津を助けて下さいませ」。それに容保公「そなたには別の役目を申し付ける」城を出るように指示。全てを悟ったような容保公の目。
 
無事城内に入った大蔵さんを取り囲んでみんな嬉しそう。彼岸獅子を率いていた少年は、昔八重ちゃんが助けた少年だった。
 
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歴史的には負けてしまった会津ですが、このドラマで描かれる会津の人々の勇気と頑張りには心から感動します。現代の視点から見れば、同じ場所に留まろうとする不器用な彼らに愚かな古臭さを感じても、もし実際に自分が城内にいて彼らと共に戦っているとしたら、彼らと全く同じことを考え同じように行動しただろうと断言できます。もし私があの時代にあの場にいたら…迷うことなく敵と戦い、敵を殺し、見方の負傷者を看護し、できるだけ自分達の城を守る為に全力を尽くすだろうと思う。だから見ていて心を摑まれるんです。歴史のドラマとは現在の視点で描くものではない…そのことを毎週毎週実感させてもらってます。
 
現代の視点から言えば、玉砕なんて愚かな判断。だけど、145年も前の時代に生きていた彼らには、今の日本人が過去145年間に学んだ経験が一切なかったわけです。理不尽に攻められ、一度は恭順をしているのに一方的に賊軍にされてしまった悔しさは十分に理解できる。理由もなく一方的に攻められれば抗戦するのみ。それだけです。だから戦闘に散った竹子さんにも、夫の後を追った雪さんにも涙を流さずにはいられない。どうして彼女達が死ななければならなかったのか…。
 
時に、歴史の流れとは、その時代に生きる人々にとって非常に残酷なものです。あれをこうすれば避けられたはず…などとは言えないことも多い。歴史の勢いに飲み込まれてしまったら、もうどうしようもない。今回の会津の話は、平和に暮らしていた市井の人々(藩士の家族なので一般の市民ではないですが)が歴史の激流に巻き込まれた様子をそのまま再現したようなドラマです。本当にいろんな事を考えさせられる。
 
それにしても雪さんの芦名星さんはいい女優さんですね。最後は怖いほどの迫力でした。古典的な大人顔の美人でものすごくセクシーだと思う。声も落ち着いていていい。普段は物静かでか弱くて非常に女性的な雪さんでしたが、最後に見せた意思の強さに涙が出ました。内気な若妻から激しい現代女性まで、この女優さんはいろんな役が出来る方だと思う。黒木メイサさんのキリっとした美しさと共に、今回の主役の玉山大倉殿を完全に食ってしまいました。大蔵くんの似顔絵はまた今度。