能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

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2014年4月29日火曜日

NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」第17回「見捨てられた城」



今回は全編人情ものベタベタベタベタな回でした。戦の描写じゃなくて人物達の感情ばかりの描写。…なので、とてもまったりベッタリした回になってました。もう人物達に馴染みがあるので1回目はそれほど違和感もなかったのですが、なぜか気分が盛り上がらず。感想も筆が進まず。2回目に見たらな~んだこれベタベタじゃん…と納得。人物達がうだうだ反省してるばかりでなーんにも進んでないんだもん。いやー体温が下がってしまいましたよ。

まずここで断っておきましょう。ワタクシこの大河の俳優さん達は大変素晴らしいと思います本当にステキな人が多い。現実ではおそらくナヨナヨ柳腰の若い俳優さんたちも、なかなか血気盛んでイイ感じだし、普段は優しい紳士的な中年の俳優さん達も非常にゴツイ怖いオヤジでとてもステキ。萌え萌え 鎧に身を包んだ熱い男達が見れるのは本当に目の保養。こういうのを待ってました。俳優さん達には大きな拍手。


ところが、肝心の脚本の薄さ…というのか、そもそもこのドラマの意図のせいなのか分かりませんが、どうも全体に何がやりたいのかがぼんやりとして見えなくなる回があったりする。今回がそう。

一番の被害者は官兵衛の岡田さんでしょう。もう17回にもなるのに、未だ感情ばかりに動かされてうろたえ身もだえし、反省ばかりしてあまり頭が良さそうに見えない。やむを得ぬ事情で味方を見捨てれば、いつまでたってもうじうじ反省ばかりしているし、それを知将・竹中半兵衛に諭される場面などを見ていると、このまま半兵衛君がいなくなったら大丈夫なのか…と考えずにはいられないほどの頼りなさ。

岡田さんは表情に深みがあって雰囲気のいい役者さんだと思いますが、脚本が官兵衛を知的に見せていない。いい人なだけでキレ者の感じがほとんど見えない。以前からも気になっていた櫛橋左京進も同じ。俳優さんは気性の激しいキャラを演技で表現できているのに、脚本での台詞はどうも深みのないおバカキャラ…としか言いようがない。だから人物に興味を持つ事も難しい。俳優さん達がもったいない。


それに比べると、悪者設定の宇喜多さん、吉川さん、小早川さんはキャラがはっきりしていてわかりやすい。これは主役じゃないからこその遊び…とも言えるのでしょうが、宇喜多さんのアノ食えなさぶり、吉川さんのイジワルジジイぶり、小早川さんの剛毅な頑固オヤジぶりは大変面白い。見ていてワクワクする。この3人は見れば見るほど惹かれる。今回のベストシーンもこの3人の場面。

今週は秀吉にも微妙な場面がありましたね。「イケイケゴーゴーやる気マンマン上様イノチ」のはずの秀吉が、官兵衛の前で「光っちゃんは僕を恨んでるのかな…」と反省を始めてしまって萎え萎え。秀吉のキャラのいいところって、とんでもない非情の城攻めをやってもヘラヘラ笑って「がははははははおお悪かったのぉ…ワリィワリィ、ま、許せや。でもこれでわしらの陣地が広がればいいじゃねーか…がははは」という豪快さと合理性が魅力なんじゃないかと思うんですけどね。ま…ワタシの思い込みですけど。

週はまたこの秀吉が「戦の無い太平の世を作るため…」なんて言い始めたんでまた萎え萎え。アナタね…まだまだ毛利は元気、その先には九州の島津、関東の北条に東北の伊達…とまだまだ倒さなきゃいけない敵は沢山いるのよ。今の時点でぜーんぶすんなり倒して平和な世を作るなんて…まだ言えないと思うわ。特に戦ごとにいちいち反省してるようなキャラだったら無理です。今の秀吉にこの台詞と反省キャラ…っていったいどういうことよ。

「戦の無い太平の世を作るため…」なんて女が陰で呟いていればいいこと。武将が言う言葉じゃないだろ。イケイケゴーゴーでいいのよ。


官兵衛を現代の紳士的な優しい優等生にしてしまい、その上司の秀吉もいい人キャラにしたために、戦国の世でのキャラとしては全く魅力のない人達になってしまっているのが大変もったいない。織田側の武将に全く魅力がなくて、毛利側の武将が魅力的に見えるのは問題ですよ。ほんとに。とりあえず荒木ちゃんが反逆キャラ、そしてノブ様は悪い人キャラなので、まあよしとするか…。


★あらすじ

ノブ様の上月城を見捨てよとの指令により、尼子さんと鹿さんは落命。上月城開城。(神吉城が落ちたとのナレーション)。毛利は宇喜多を信じられず撤退。よって志方城の左京進切腹。その子を引き取って官兵衛は子沢山になる。
 
 
●感想とツッコミ

・上月城は飢えている。…がノブ様は「上月を見捨てよ」と秀吉に伝える。「700人を救う為に5万と戦い兵を失う…何の利がある?」そのとおり!!!ノブ様は大変正しい。
・もちろん官兵衛がギャーギャー騒いで抵抗。しかし上司の命令には逆らえぬ。どうにもならない。
・秀吉も陣から撤退。
・官兵衛君と3人衆がすんなりと上月城に侵入(←出来るわけないよなー)。尼子さんに織田から援軍が来ないことを伝え、いきなり
 
「逃げましょう!」

おいおいおいおいおい。そんなこと出来るわけねー!っと思ったら尼子さんが「兵を置いて逃げる訳にはいかん」と正論。そうですよねぇ。官兵衛君ちょっとおかしいよ。子供じゃないだろ。…で、後は涙涙涙涙の官兵衛君「ごめんなさい」の場面。尼子さんの須田邦裕さんは武将の格好が似合っててとてもよかったです。上品な武将でステキでした。
・それでも(内容はともかく)岡田さんの大粒の涙で泣く演技はよかった。
・引き揚げる秀吉軍。荒木ちゃんが一言「所詮は使い捨てだ」
・上月城開城。家臣は毛利に召抱え…のはずが鹿介は討ち取られる。
・小早川さんの鹿介の首実検。これ…もうすこし鹿介と毛利のエピソードがあればもっと盛り上がったろうに。
・黒田パパは小寺さんの心変わりを心配している。息子よりパパの方が頭がいい。
・その小寺鶴ちゃんを家臣がそそのかす。(爆笑カメラワーク)
・書写山の秀吉の陣では、官兵衛君が未だ上司の決定に文句を言っている。それを半兵衛にたしなめられる。「情に溺れるな。最良の策を考えろ。今やれることをやる。」そうそう、そのとおりなんですよ。終わったことにウダウダ言ってる暇はなし。これ現代の会社でも同じよ。
・とにかく官兵衛君は情に流されて脆いね。
・一方、神吉城を落とした信忠軍は内輪もめ。荒木ちゃんが責められる。
・その夜、いい人=明智光秀が荒木ちゃんを慰める。
・毛利の陣では相変わらず小早川さんと吉川さんがガミガミ言っている。そこへ宇喜多さんが来るという。吉川さん「斬ってしまえ」(笑)。
・さてカラコンの宇喜多ちゃんが登場。いけしゃあしゃあとこのうそつき野郎(笑)。役者やのぉ。あ~面白い。この3人の場面はまるでコントみたいに面白い。吉川さんが噛み付くと宇喜多ちゃん完全に開き直り。ああ素晴らしい。
・上手くおさまったかに見えたその直後に吉川さんと小早川さん「あやつを信用することなど金輪際出来ぬわ」→「いつ裏切ってもおかしくないでしょう」→「ここは一旦兵を退きましょう」えええええええええええっ!これで撤退。うひゃーこれほんと?
・毛利撤退。
・当然、志方城の左京進がピーンチ。金子さんいい表情。なのに最後の台詞が変「官兵衛おまえの勝ちだ」おい…アナタの人生それだけなのかよ。
・結果、姫路の黒田家は子沢山。7人です。ちっちゃい男の子が可愛いな。
・そして官兵衛、今度は光さんに「すまなかった」。左京進兄ちゃんのことですね。今週2回目のごめんなさい。
・そして秀吉と官兵衛のうだうだうだうだ反省会。「光ちゃんはワシを恨んでる?上月を見捨てたことも…どお?…天下布武の為、戦の無い太平の世を作るため…それでもわしについてこれるか…?」←えええええ秀吉君、貴方はもっとイケイケゴーゴーの人だと思っていたわ。なにを今頃反省しとるのよ。それに天下布武はノブ様の目標で貴方の目標ではないですよ。天下統一をするつもりなら反省してる暇はなし!ひと戦で何百人と死ぬのにイチイチ反省なんてしてる暇無し!まだ先は見えてないがな。それに官兵衛君に「ついてこれるか?」って愚問。官兵衛君もアナタについて走り出したら止められんのよ。逆らったらアナタに殺されるんだもん。そんなダラダラグダグダな台詞はいりません。
・織田の援軍は播磨から引き揚げる。
・有岡城に帰った荒木ちゃん。この人はね、役者さんとしても上手いんだろうけど、何よりも動作が荒々しくて男らしくていいんですよ。投げやりな感じも身体の大きさも荒い感じが武将らしくていい。
・さて荒木ちゃんにノブ様から使者。荒木ちゃんの心配が募る。ストレスMAX状態。
・小寺さんちのお紺様さようなら。
・黒田パパは小寺鶴ちゃんの心変わりを心配している。
・「最大の危機はこれから訪れるのであった」…また来週。

というわけで、あのね…今週の官兵衛君は、上司命令に文句を言い、尼子+鹿介さんにごめんなさい。その後反省ばかりして悶々と過ごし、半兵衛にたしなめられ、義理の兄が秀吉軍に責められて落城すると今度は奥さんに「兄さんを殺してごめんなさい」とまた反省。脚本家さん…もう少し官兵衛君を芯のある男にしてやってください…(涙)。