能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

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2017年4月19日水曜日

★『真田丸』好きだった人々



真田左衛門佐信繁/幸村=堺雅人

意外な配役。私はあまりくわしくはないんですが、真田幸村と言えば「日本一の兵」。だからイメージは大柄の強面の勇ましい男。しかし堺さんは線が細い。なによりも穏やかな声で知性派。肉体派じゃないですよね。だから最初はとても違和感があった。ところがWikipediaを読んでいたらこういう記事が出てきた「信繁の人柄は、兄・信之の言葉によると柔和で辛抱強く、物静かで怒る様なことは無いという、およそ勇猛な武将のイメージとはかけ離れたものであったようである。」なるほど。そういうイメージでの配役だったのかもしれませんね。実際はどんな感じだったんだろう…。ともかく堺さんはいつも穏やかなイメージがありますけど、じつは演出次第では非常に男おとこしたキャラも出来る方だと想像する。九州男児ですからね。実は古風で頑固な日本の男なのでは…。

真田昌幸=草刈正雄

草刈さんだもの。そりゃーかっこいいわ。昔から超イケメンでしたね。最近はコミカルな印象の方が多いですけどね。「美の坪」のひょうきんなオジサン。さて昌幸パパ。丹波さんほどの凄みは無かったけれど、どこかコミカルで面白かったです。草刈さんは吉野太夫とのシーンが色っぽくてとても良かったので本当のジジイになる前に美女と濃いドラマをやってほしいですねほほほほ。

きり=長澤まさみ

ヒロインとは言えないですよね。まさに信繁とは腐れ縁。最初はうぜぇうぜぇと言ってましたが、50回全話に毎回出ましたね。妙なキャラになっちゃったのは脚本がいけない。しかし何度も見れば慣れるものです。なんとなく愛嬌も出て来て、最後の夏の陣決戦前夜の幸村との抱擁はほろりとさせられました。きりちゃんよかったね…よかったのかなぁ。

秀吉=小日向文世

このドラマで一番興奮した配役。この小日向さんの秀吉は本当に良かった。他のドラマのように人情味に溢れ陽気で人好きのする秀吉じゃないんですよね。この秀吉の「人たらし」は人を思うように操る為のテクニック。表面的にそれらしく振舞うだけで心は無い。寧さんが「恐ろしい人」と言った秀吉の本質がニコニコ顔の隙間から垣間見えるのが面白い。子供のように快活だが気が短くて直ぐに怒る。天才的に頭が良すぎて周りがついていけない。予測不可能。秀吉とは実際にこういう人だったのかも。これくらい特殊な人でなければ天下はとれなかったのかもしれません。面白かったです。

茶々/淀殿=竹内結子

子供のようにイノセントで美しく可愛らしく優しい。しかし頭が弱い。子供の頃からのトラウマで「死」を異常に恐れ錯乱する。この茶々さんは、気が強くてプライドが高くて自ら秀頼や大坂城の行方をコントロールする人物ではない。周りの意見に押されるまま「私は秀頼と源次郎がいればいいの…」あまり難しいことは考えられないのね。でも可愛かった。愚かだけれど可哀想なお姫様。

徳川家康=内野聖陽

面白い家康でした。内野さんが上手い俳優さんなので、コミカルなのも威厳のある場面も非情なのもそれぞれ違和感なく一人の人物に納まっていたのが素晴らしい。一番面白かったのは逃げるときの泣き顔。
 
阿茶局=斉藤由貴

斉藤由貴の局。怖い怖い。斎藤さんには誰もかなわないっす。面白かった。

 
 
 
 
 
 
 
 
北条氏政=高嶋政伸

最初は北条の怪獣というとんでもキャラだったのに、最後は古典的な戦国大名の敗北と無念を全身で表現。かわいそうでした。「秀吉のような者に頭を下げたくない」と意地を張って滅びていった名家の殿様。上杉や真田、徳川に降伏するように説得されても「秀吉のために生きるのでござるか。それでよろしいのか」と問いかける。「華々しく戦国の世に幕を引きたかった…」不器用で頑固な北条の殿のことはきっと忘れない。

真田信幸/信之=大泉洋

なんだか最後までよくわかんない人でしたねお兄ちゃん。ちょっとコミカルすぎて描き方を間違ったんじゃないかなぁ。あくまでも脚本のせいです。大泉さんはいい感じだっと思う。シリアスなシーンでは時々とてもいい表情をなさってました。しかし三谷さんが常に引き摺り下ろす。最後までコミカルでアホなのか…ちょっともったいなかったです。

高梨内記=中原丈雄

このお方は最初から最後まで出ていた真田の忠臣。じみ~な役柄ながら常に光ってました(私個人的に好き)。大柄で時代劇の衣装がとても素敵。若い時も年をとって髪が短くなった後も、常に変わらず素敵でした。普段はコミカルなのに、室賀さんを討ち取った回は怖い武将の顔。あの場面は緊張しました。かっこよかった。最後も悲しかったです。

矢沢頼綱=綾田俊樹

矢沢の叔父さんは痛快。暴力ジジイ。面白かった。交渉にきた北条の使者をいきなり殺す。沼田城を開けろと言われても「嫌ぢゃ」とだだをこねる。迷惑な問題ジジイなんだけれど面白い。小柄な方なのに豪快で戦国のキャラクターらしくて印象に残りました。
 
 
 
こんなところかな…おっと11人だ。これ以外にも面白い人物は沢山いました。もっと沢山。特に真田の家族は長い間描いていたのでそれぞれ愛着もわきました。大坂城に入ってからは世界がまったく変わってしまったのですが、そちらの人物達もまたよかったです。キャラクター達に愛着がわくと名残惜しいですね…『真田丸』とうとう終わっちゃったわ。

俳優さん、スタッフの皆様おつかれさまでした。

NHK大河ドラマ「真田丸」第50回「  」 12月18日放送



やってまいりました最終回でございます。あ~終わった。1年間よく文句も言いましたが終わってみれば名残惜しい。似顔絵の楽しみもこれでお終いだわ。




さて最終回。誰もが知る真田幸村無念の戦死+大坂城落城+秀頼&淀殿及び豊臣家滅亡…とうとうやってまいりました。1年間応援し続けた主人公とその周りの人々が亡くなるのを見るのは悲しい。しかしこれは史実に沿ったドラマなんだから悲しくていい。いや悲しくなくてはつまらない。

 今回の問題はそこでした。

最初に見た時の印象は、

1. みんな喧嘩の仕方を知らんのだね。

そして、

2. 煮え切らない。

2回目に見ても同じ印象でした。
 
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1. 喧嘩の仕方を知らんのだね

戦闘場面がまったりしてる。今回は最終回だし、アクション的にかなり盛り上がる回のはずだと思うのですが、なんとなく全体にまったりしてる。スローモーションも多い。幸村が家康に迫っていくところも、なんだか緊張感が足りない。そもそもあんな大草原で一人で敵の大将に近づけるわけがない。リアリティ無し。
 
もっと緊張して心臓がドキドキするような決死の場面のはずなのに、ただ馬に乗ってたり、ただ見てたり、ただ突っ立ってたり…。馬上の幸村と家康が会話をするところも戦闘場面だとは思えない。しーんと静かな草原で怒鳴り合ってる。周りの緊張感もない。幸村の表情は悪くないのに。
 
どうも間延びしてる。これはおそらく三谷さんの脚本も、演出的にも、編集も…、アクション場面を作れない人達が無理してアクション場面を撮ろうとした結果なんじゃないかと思った。俳優さんが殺陣に慣れていないとか馬が下手とか…そういうレベルではないと思う。制作全体がアクションを撮り慣れていないのだろう。なんだか全体がまったり間延びしてる。それが一番の印象。
 
 今の30代ぐらいの方々ってきっとお優しいんですよ。子供の頃にも危ないからと喧嘩もやった事がないのだろうし、暴力的な映画のシーンもおそらくあまり見てないですよね。70年代くらいまではやくざ映画とか、時代劇でも馬の全力疾走や華やかな殺陣があたりまえだったんだけれど、もうそういうものも流行らなくなりましたからね。
 
要は制作の方々が人間の肉体を使ったアクションの見せ方も、それらしい戦場の演出のも仕方も知らないんじゃないかという感じがした。戦争をしているのにどの場面にも戦場のリアリティがない。全体にとても静かなんですよ。戦場で何万人もの人間が動いているはずなのに、ほら貝や太鼓、馬のいななきや蹄の音などの効果音も無い。どの陣でも騒音ひとつ聴こえない。エキストラも沢山連れてきているのに戦というよりも競技会という感じ。戦国時代の戦の見せ方を知らないんだろうな。もう時代劇のアクションは撮れないのかもしれないと思った。
 
撮れないから戦闘場面もナレーションが多い…あのゲーム風の説明画面に有働さんのナレーションが重なる場面が多かった。今回の毛利勝永なんて前半は非常に強いのね。真田信吉に小笠原、榊原、諏訪、酒井と続けて戦って勝っている。その大活躍がゲーム画面と有働さんのナレーションで説明されるだけ。戦いの場面をほとんど見せてくれない。残念。だって毛利さんは映ってるときは凄くかっこいいんだもの。彼はアクションがさまになってます。もっと見たかった。
 
 俳優さん達は個人差がありますね。内記さん、作兵衛の最後はかっこよかった。毛利勝永、大野治房、作兵衛、それに城内の内記さんは武将らしいいい雰囲気がありました。それ以外はまあ虫も殺せなそう…みんな文系のインドア派の優しい人達かな。あまり武将らしくない。そもそも戦闘場面が少ないから見せ場も無いんですよね。
 
幸村の堺さんは表情や声は悪くない。家康を馬上筒で狙った表情も決して悪くなかった。しかし全体に演出が間延びしていてあまり強そうに見えなかったのはもったいない。結局演出が全てです。
 
 
2. 煮え切らない。
 
今まで(文句を言いながらも)応援してきた主人公達の最後はきちんと全部見せて欲しかった。死ぬ場面が見られないのは残念。
 
幸村の死は画面が白くなって亡くなったと想像するだけ。秀頼と淀殿+大蔵卿局+大野治長+大助も、窓の外に燃え上がる大坂城の天守閣を見ている場面だけでお終い。死ぬ場面が無いんですよ。そのために印象が薄くて心に残らない
 
死ぬ場面の描写があったのは、城内に乗り込んできた徳川勢と一人戦った内記さんと、戦場で撃たれても城に帰ってきた作兵衛(おおすごい)のお二人だけ。死ぬ場面というのはぶっちゃけ印象に残るんですよ。このお二人がやられたときは悲しかったです。単純に悲しい。悲しいから心揺さぶられるし記憶にも残る。やられるんだけれど俳優さん達がとてもかっこよく見える。こういう人物が死ぬ場面というのは時代劇の醍醐味だと思うんだけどなぁ。
 
 最近はやっぱり暴力描写はだめなんですかね。最初から三谷さんがそういう生々しいものを好まないだろうなというのは想像できたとはいえ、せめて真田幸村の最後の場面ぐらいは見せて欲しかった。淀殿もそう。いつの間にか大切な人達の最後があいまいにうやむやになってしまって印象に残らない。せっかく1年間も愛でた人物達なんだから最後まで見せて心揺さぶって泣かせて欲しい。まぁ私は歴史時代劇にはそういうのを求める昔の世代なんだろうと思います。こういうのはうやむやにしないで全部見せて欲しい。決してグロはいらないけれど。
 
いずれにしても大切なのは演出です。戦闘場面も撮れない。死ぬ場面も見せない。戦場のリアリティも作れない…もう戦国時代のそれらしい大河ドラマは見れないかもしれないと改めて思った。俳優さん達は演出次第でもっと輝けると思います。しかし演出が喧嘩の見せ方を知らなければ、それらしい場面でも説得力が無い。
 
近年で戦の描写でかなり力を入れていたのは『風林火山』でしたね。勘助さんも板垣さんも強く印象に残ってます。しかしあのドラマも10年前。もうああいうのは無理なのかなぁ。
 
なんだか最後まで文句の言いっぱなしでしたね。題材がいい話なんで、もっとあれが見たいこれが見たいと希望ばかりが募ってしまったのかも。戦国ものはゴリゴリの戦闘場面が見たい。手に汗握るやつ。イケイケゴーゴー応援したくなるやつ。それが戦国時代のドラマの醍醐味だと思うんですよね。
 
 
今回よかった人々
 
★高梨内記
★作兵衛
★毛利勝永

大きな拍手!


★良かったところ

家康は良かった。このお方は最初から最後までよかった。面白かった。俳優さんもノリノリ。一番面白かったです。
・毛利勝永がいい。毛利さんは強い強い。最後まで生き残ってたけれど毛利さんはどうなったの?
内記さんがかっこいい。昌幸のお位牌を持ってましたね。
作兵衛もいい。最後に見せ場があってよかったです。耕した大好きな畑で亡くなったのね。気は優しくて力持ちキャラ。
・淀殿。イノセントでちょっと頭が弱くてお姫様の淀さんは嫌いじゃない。優しいんですよね。「死」に反応して怖がる表情もとても良かった。表情がコロコロ変わって複雑な人物でしたね。
・大助君、健気でよかった。真摯で頑張ってましたね。
・矢沢三十郎頼幸。彼は時代劇の格好が似合う。現代人の姿より時代劇の格好のほうがいい。
・秀頼君の俳優さんもよかったです。真摯な若者。しかし城外に出られなかったのは残念。淀ママや大蔵卿BBAを押しのけてでも城外に出て欲しかったわ。だってもたもたしてるんだもの。あなたが迷ってる間に100人は死んでる…。なんとかして城を出てくださいよ。ご本人も無念だったろうなぁ。
真田幸村。優しすぎる。厨房のスパイじじいはとどめをさしたと思っていた。家康に馬上筒を向けて怒鳴ったところはよかったです。堺さんは演出次第でもっと強く見えたと思います。ちょっとこのドラマでは優しすぎたかな。日本一の兵というよりも穏やかな知性派の戦略家でしたね。

さぁまとめようかどうしようか…。



2017年4月13日木曜日

NHK大河ドラマ「真田丸」第49回「前夜」 12月11日放送



とうとう冬の陣の開始です。

この感想を書くのに、録画をまた見直しながら書いてるんですけど、去年の放送時にこの回を見たときにはさらさらっと見て印象が薄かった気がするんですよ。それなのに今回改めてメモを取りながらじっくり見ていると人物達に愛着が湧いているのか、一人一人倒れていくのが悲しい。

みんなの似顔絵を描いたからかなぁ…。後藤又兵衛も長宗我部さんも亡くなっちゃった。最後のみんなの頑張りはもう少し詳しく描いてくれればいいのに。みんなさらさらっといつの間にか戦死。

これ、脚本家や演出家の好みによっては、大坂の陣での見せ場になるところだと思うんですよ。馴染みの武将達がチャンバラを沢山見せた後で最後は討ち取られて死んでいく…。私はそういう場面を期待しているんだろうなぁ。どうもこのドラマはこういう場面がナレーションの多用と共に一瞬で終わっちゃうんで物足りない。

それでも今回は、じっくり見ればいい場面が多かったように思います。相変わらず情報が多いので、ひとつひとつの場面が短すぎて心に残らないんだけれど、じっくり見ればそれぞれの場面は悪くない。終わりに向って描きたい内容が多すぎたんじゃないのか。

時間配分を間違ったんじゃないのかなぁ。大坂夏の陣だけで34回分ぐらいできそう。もっと武将達一人一人の最後に踏み込んだ描写を見たかった。例えば、以前の信之とお通さんとの場面なんてどうでもいいんですよ。そういう話をカットして、もう少し大坂方の最後の頑張りに時間をとって欲しかった。


★それでは良かった場面。

・大坂へ幸村に会いに行くという信之お兄ちゃんに、鬼嫁稲ちゃんが説教「敵に内通すれば真田の家が危ない。真田とわからないように行って、必ず帰ってくること。」これは彼女が正しい。さすが武家の娘だ。

・血気盛んな秀忠「総攻め。豊臣の血はこの戦で断ち切るのです。秀頼を亡き者にせねば、この戦は終わりません。」確かに。きつく聞こえますけど実際にはこれが正論。豊臣の血を絶やす…というのは長い間安定した江戸時代のためには必要だったのでしょう。過去には平家と頼朝・義経の話もあるし、こういう考えは実際にあったでしょうね。秀頼を残さないことで、他の大名たちに反徳川で立ち上がる理由を与えない。秀忠がこれを言ったとは思わないけれど…こういうことを考えたのは家康でしょう(いやよくは知らない)。仮に秀頼が城を出て徳川に降伏したとしても、いずれ暗殺されたかも。徳川が天下を取るためにはしょうがない。中世では特に酷い話ではない。

・徳川からの降伏を促す書状に秀頼「徳川とは手切れといたす。」理由は牢人達を連れていけないから…。この秀頼くんは牢人を思いやるキャラですけど、実際の徳川との決別はどうだったんでしょうね。ここで降伏していれば救われた命は多かったかも…うーん。しかし牢人達はその後どこかの大名に召抱えられるのか、それとも農民になって無名のまま生きるのか…。それよりも大坂の陣で戦って歴史に名を残したことを良しとするのか。

塙団右衛門の死。あまりにもあっさり。先日似顔絵を描いたばっかりなのに…。彼は可愛かった。

・信尹叔父さんと信之お兄ちゃんが幸村に会いにきた。徳川は幸村に信濃一国を与えるという。しかし幸村は拒否。死ぬつもり。(別れの)酒を一緒に飲みたいと言った幸村を信之が拒否。うーん辛いねぇ。しかし信尹叔父さんはわかってくれているのね。幸村に対し「生きたいように生きればよい」=「ここで死にたいのならそれもいい」。このお方は以前信繁に「俺のようにはなるな」と言いましたね。幸村の決断を否定はしない。

・上杉と徳川。上杉「この戦には大儀がない。(幸村は)わしがそうありたいと思う人生を生きておる。」そう。このお方もドラマの最後に向って幸村の選択を賞賛。上杉、徳川の俳優さんお二人の台詞の間…重みがいい場面。

 …この信尹、そして上杉氏の台詞は現代の視聴者に対して幸村の死の理由付けをしてるんだろうと思います。この大坂夏の陣は、大坂方にとってはかなり無謀な戦争で、大坂方が負けるのは最初からわかっているんですよね。一方徳川は秀頼の命の保証と、幸村には信濃一国の領地を提示している。幸村がそれを拒否して死に向かっていくのは現代人の理屈には合わないわけです。名誉の死とか、ほまれ、名声、誇り、忠誠心…そういう古臭い美学を描かなければ、大坂方の死は無駄死にだと思う視聴者もいる。幸村が自らの選択で死に向かう話は、昭和には自然に受け入れられるものだったと思うけれど、現代の若い人達には難しいかもしれない。今の世の中が「名を捨てて実を取る」時代ですから。だから信尹叔父さんや上杉氏の台詞で幸村の死の理由付け…説明をしている。

・後藤又兵衛の陣。幸村「戦は心が乱れた方が負け」そのとおり。
・毛利勝永「なんで俺に声がかからん。」後藤さんと幸村が徳川に誘われたのを聞いて文句を言ってる。このお方にも愛嬌がある。
・木村重成。この若いイケメン君は誰?兜に香を焚き染めてきた。可愛いですね。
 
・夜明け、やってきたのは伊達政宗35000。ああ伊達さんの兜はやっぱりかっこいいな。ものすごく強そうだ。
・徳川本体は13万。
・伊達さんが強い。後藤又兵衛戦死。ああああっあっけない。もったいない。
・秀頼ショック。
木村重成も戦死あああこれももったいない。戦ったのは井伊軍だそうです。
長宗我部盛親も戦死ああああこれも雑な描写。もっと見せてくださいよぉ。なんだかみんな数秒でぱらぱらっと死んじゃうのが悲しい。長宗我部さんにも愛嬌があった。
・真のスパイは厨房のジジイ。
・幸村と徳川勢がぶつかる。大助負傷。幸村勢は城へ引き返す。ここで「関東勢百万と候え、男はひとりもなく候」と言ったそうな。台詞「徳川兵に真の武士は一人もおらんのか!」
・伊達さんがかっこいいな。幸村の様子を見て攻撃を止め「あいつもよくやる」とうなずいてます。こういうのはいい。敵であっても相手の戦いぶりを賞賛している。

・帰ってきた幸村、大坂城内の家族に別れを告げる。この場面の春ちゃんがとても綺麗です。騒ぎ立てず状況を受け入れているのね。夫にも息子にももう会えないことはわかっているだろうに騒がない。さすが武家の娘だ。「決して永久の別れではない。」いずれ天国で会いましょう。家族は伊達政宗のもとへ。ほおおこれは本当なの?伊達さんは懐が深い。伊達さんかっこいいわ。
・きりちゃんはどうなるか?幸村「千姫を送り届けて沼田に帰れ」。きり「ここにもどってきます。こうなったらお上様とご一緒しますよ、最期まで。源次郎様がいない世にいてもつまらないから。」おおっ…。ここで幸村がまばたき…いきなりきりちゃんをきつく抱き締め接吻。おぉ。きりちゃんの目に涙。これはいい場面だ。


この場面は素晴らしかった。今まで文句ばっかり言ってきたのに、最後はほろりとさせられました。きりちゃんの涙にもらい泣き。このあともう少し仲良くできたのかなぁ…『ベルバラ』のオスカルとアンドレのようだわね。

 
 

2017年4月11日火曜日

NHK大河ドラマ「真田丸」第48回「引鉄」 12月4日放送



前回は随分吼えた。
コロセーッコロセーッテキヲゼンメツサセロッ!
 
おっと…それは冬の陣では無理だ。せいぜい真田丸で幸村がもうひと頑張りするだけか。そうか。だって徳川勢は20万…うーん…。そんな大軍を相手にしていたら食料も武器も無くなってしまう…う~。
 
 
前回の筋の違和感は、大坂城内で幸村が淀殿や秀頼君、大野さんに直接戦略を提示し大坂方全体を指揮するような重要な立場にいるのに、肝心の徳川との交渉の内容を把握していなかったこと。このドラマのように幸村が大坂方の指揮をしていたのなら、大蔵卿局だけに交渉させ、結果堀を埋め立てさせたり真田丸を壊したりなど受け入れるはずが無い。
 
史実では、幸村はこのドラマのような重要な位置にはいなかったらしい。大坂方の決定は大野治長や淀殿、織田有楽斎でなされていた。堀の埋め立ても真田丸の撤去も、彼らが受け入れたもので、幸村は蚊帳の外。要は大坂城内の上の人達が正式に和議を受け入れているのなら、下の幸村には口出しできなかった。
 
このドラマでは幸村が大物扱いされているので、交渉の内容を黙って受け入れているのが変に見える。大野さんも正しくいい人扱いなので、交渉の失敗は全部大蔵卿局におしつけることに。だからすごく違和感があった。
 
 
このドラマのように幸村が大坂全体を指揮しているのなら、和議を破棄してでも武力で(堀の埋め立ての)作業を止めさせ…そのまま戦闘再開もやむなし…別の条件での次の交渉に持って行くほうが自然だろう。
 
なぜなら、この和議で真田丸と堀を失ったら、

大坂城は丸裸。

掘と真田丸がなくなったら、もう今後勝てる見込みはない
彼にはそういうことがわかっていたはず。


戦国時代の戦争は、素直に降参したから皆助かるっていうものでもないですからね。負けたら結局皆殺し。淀殿が助かっても秀頼は切腹。彼女も秀頼が死んだらおそらく自害。大坂城内の牢人も秀頼の家臣じゃないからどうなるかわからない。勝たなければこちらが殺されてしまう。だからなんとしてでも勝たねばならぬ。だからつい敵を見たらコロセコロセと言いたくなってしまう。

実際には大坂城内にも武器が不足していて、また徳川方では兵糧が不足していて、戦闘の継続はどちらにとっても難しかったらしい。徳川も苦しかったわけだ。それなら粘ればもう少しましな条件での和睦もあっただろうに。

なんだかもったいないですよね。せっかく難攻不落の城があったのに…。結局大野治長は実戦の経験が無いから堀や真田丸の重要性を理解できなかったんですかね。堀さえあれば…真田丸さえあれば…。

大坂の陣では、仮に堀と真田丸が残っていたらどうなったんだろうと考えずにはいられない。20万の徳川を相手に大坂城はどうなったんだろう。このドラマの秀忠は総攻めと言ってますけど、堀や真田丸が残っていたら何処までいけたんだろうと思う。

ともかく城は丸裸になった。


今回はその後の話。地味です。細々とエピソードが多くててんこ盛り。今回の問題児は大野治房。


★筋
・和議が結ばれた。戦闘中止。
・秀忠を早く江戸に帰すのは家康の考え…徳川が兵を引けば大坂城内の牢人の居場所がなくなる→牢人は追い出される→彼らがいなくなってから徳川が再度城攻め。
・徳川のスパイ有楽斎は追放。

・家康の暗殺計画は失敗。
・家康は駿府へ
・幸村の次の作戦…茶臼山と岡山を結んで空堀を掘って要害とする。
・牢人たちは大坂城内に家族を呼び寄せて団欒。
・秀頼「大坂を離れようと思う…次ぎの戦に勝った後で…」おいいいいっだったら今大坂城を出たらそれで丸く収まるのではないかい?
・幸村、真田の陣(?)に甥達に会いに行く。
・城内の畑から「馬上筒」が出てきた。幸村が手にする。
・家康から秀頼にお手紙「牢人を追い出せ」
・牢人達に渡した支度金がつきはじめた。
・牢人達が蔵を襲う。今回の問題児は大野治房。
・牢人達に金を分け与える。
牢人達が勝手に武器を買う。
・その情報が徳川に届く。大坂方の戦闘準備だと受け取る。
・大野治長が殴られる。犯人は弟の大野治房。
・牢人達が掘を掘り始める。問題児は大野治房。
・幸村「戦が起きる時は誰も止めることはできない」
・家康、諸大名に戦の準備をするように命じる。
・幸村、信之に手紙。
・信之「弟は死ぬ気でいる。止められるのはわしだけ。」